アルコール燃料の熱量を真面目に考えてみた。

健さん

2013年09月09日 05:02

最近、火器・ランタン関係の物を買いまくっています。

そんなことしていると気になるのが、燃料のことです。

昨日は、燃料は何が一番良いのだろうと考えていました。

この一番良いという基準になるのは、使用時期や使用する場所、火器や燃料容器を含めた重量とサイズ、ランニングコストのどれを重視するかで、人それぞれ違いが出るかと思います。

でも、そもそも、燃料別の発熱量の違いがちゃんと分かっているのかと問われると、恥ずかしながら私は知りません。

経験的に所有の火器ではこれくらい、っていう感じで把握しているのですが、新しい火器類についてはまだ把握していないこともあって、そもそも、燃料別の熱量知っているの?って話しに陥ってしまいました。

どこかに書いてないかと調べてみたのですが、ネットの中では意外に資料が少ないことが分かりました。

そこで今回、私の好きな燃料用アルコールの熱量について、もう少し調べることにしました。




では、調べてきちんと計算してみましょう。


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市販の燃料用アルコールの熱量について、メーカーページをググっても見つけられませんでした。

そこで、私が薬局で普段買っている高杉製薬の燃料用アルコールを例にして、計算してみることにしました。

まず、高杉製薬の燃料用アルコールの成分を確認します。

・高杉製薬 燃料用アルコール



容量 500ml
 メタノール (CH3OH)  70%
 エタノール (C2H5OH)  30%

次に、成分別に熱量を調べました。困った時のウィキペディアですね(笑)

燃料                KJ/mol        kJ/g
メタノール CH3OH       725.7         22.6
エタノール CH3CH2OH    1367.6       29.7

最初はモルで計算できないか調べましたが、モルというのは気体の状態なので、液体燃料だと体積の算出など簡単にはいかないことが分かりました。

そこで、KJ/gという単位を使って計算することにしました。


燃料用アルコール      容量500g

燃料 成分比           容量500gあたりの質量     kJ/g   500gあたりの熱量(kJ)    
メタノール 70%          500*70%=350g     22.6      350*22.6=7910
エタノール 30%           500*30%=150g    29.7      150*29.7=4455

なので、燃料用アルコール500g1本の熱量は7910+4455=12365KJ。
燃料用アルコール1g当たりの熱量は、12365÷500=24.73KJ/gになります。

ちなみに、ガソリンは47.0KJ/g (ウィキ調べ)なので、燃料用アルコールの発熱量は、ガソリンの発熱量の半分ちょっと(53%)としかないことが分かりました。
理論値とはいえ、思っていたよりも熱量の差が大きかったです。

ちなみに燃料の実売価格は、燃料用アルコール500gが420円(税込)、レギュラーガソリンは1L で150円前後なので、アルコール燃料は、レギュラーガソリンの5倍以上もします。

熱量は半分しかなくて、価格が5倍以上高いということは、実質10倍以上の開きがあることになります。


こう書いてしまうと身も蓋もないように聞こえますが、アルコール燃料の魅力はちゃんとあります。

火器の小ささと静かな燃焼音、簡単にすぐ使える便利さが、アルコール燃料の優れた魅力です。



最後に、今回の計算で出した熱量を利用して、過去に実験した結果を比較してみます。

過去記事

・サイドB(sideB)風バーナー 計測

この時は、200g、12℃の水を、蓋なし+五徳+自作バーナーで沸騰するまでの時間を計測しました。 






その結果、消費したアルコールの量は10gでした。

今回の計算ではどうなるのか、やってみましょう。

熱量の計算式として、熱量(kj)=比熱×質量×上昇温度というのがあります。

比熱は水の比熱になるので、4.2J/gKです。
比熱×質量×上昇温度
=4.2×200×(100-12)
=73920J
=73.92KJ

今回の計算で燃料用アルコール1g当たりの熱量は24.73KJ/gと分かっているので、これを用いて使用したアルコール量を計算します。

73.92KJ÷24.73KJ/g≒2.98g

およそ3gのアルコールで水温12度の水200㏄を沸騰させることが出来ることになります。

しかし、実際の計測値ではアルコールを10gも使いました。

計算値より7gも余分にアルコールを消費していますね。

これはなぜでしょうか?

これは、熱の伝わり方が3つあることにあります。

熱は熱伝導、対流、輻射という3つの伝わり方があり、容器や水の動き、輻射熱で相当に熱が逃げているためです。

点火直後に生じる結露の気化熱も含まれますので、相当に熱が逃げているためと考えられます。


でもですね、このエネルギーのロス(計算値との差)を埋めるべく工夫したりするのが、アルコールバーナーを作る楽しみでもあったりします。

また、燃料用アルコールの場合、空き缶で簡単に作ったバーナーでも実用レベルであり、アルコールの匂いもガソリンや灯油ほど臭くありません。

何より燃焼音が極めて静かなので、朝でも周囲を気にせず使えます。

ガソリンだと、火柱が1m以上も立ち上っている場面を見聞きして怖いと思った経験もあります。

それに私自身、ガソリンが漏れてストーブが火だるまになりかけた経験もあります。

それに比べて、アルコールは、失敗してもちょろっと周りに飛ぶくらいで(それも危険なことには変わりませんが)、大した火柱も上がらないので、ガソリンほど怖くありません。

火器を買っていると燃料が気になる、から始まった記事ですが、燃料用アルコールの熱量が思いのほか低いことが分かりました。しかも価格が高いけれど、やっぱりアルコール燃料ならではの良さがあるので、TPOで使い分けながら楽しもう、というのが、私の結論です。

追伸~理屈ばかりの小難しい記事になってしまいました。素人なので間違いだらけかもしれません。間違いがありましたら、ご指導・ご助言のほどお願いします。


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